PNFの総本山 KAISERへの誘い

 

 San Franciscoから車で約30分,PNFをかじった者なら誰もが憧れるKaiser Foundation Rehabilitation Centerがある.行くのは簡単!車なら高速道路ですぐだし,フェリーでSan Francisco湾を横断して…  なんておしゃれな方法もある.しかし,そこで行われているPNFのコースに入りたいと思うとこれがまたなかなか難しい.

 

 何が難しいって,英語が難しい.

 

 学校英語で文法を叩き込まれた我々日本人にとっては,英会話が難しい.どの位の会話能力が必要か? コース初日に行われるオリエンテーションで頭が真っ白にならずにいるだけの”耳”,そして,初日から渡される担当患者様とコミュニケーションがとれるだけの”口”,そして,会話能力不足を補うだけの”body language”が必要である.その英語力をみる一つの指標として英語を母国語としないコース希望者にはTOFEL500点以上の獲得を促している.

 

 促している… Kaiser側はあくまでこのコースでは「大学レベルの英語力」が必要と言っているのであって,490点では入れないとは言ってない.では,その能力はどのように判断されるか.これはどう自己アピールをしていくかで運命が決まる.今,TOFELに向けて頑張って勉強している.英会話のクラスに通っている.来年の夏頃に仕事が一段落するのでその頃にコースを受けたい.とにかく電話でも手紙でも自己アピールをして「英語力」をみてもらうしかない.また,このアピールがないと4年待ちは当たり前といわれる6ヶ月コースの順番は回ってこない.逆にいうと自己アピール次第では2年待ちでコースに入れる可能性もあり得る.3ヶ月コースでさえ3年待ちという噂.ただ待っていてもなにも起きない!!

 

 話しを英語に戻そう.よく出る質問が「英検ではだめか?」である.英語検定は日本独自が行っているものであり,海外では「何、それ?」で終わりの場合が多いので…

 

 では,本当にKaiserに行きたいというならば,まず,下の項目を書いてコース申し込み用の書類を請求する.

 

 氏名,生年月日,生まれた場所(日本でしょうが…),年齢,国籍(これまた日本でしょうが…),住所,自宅電話番号,勤務先住所,電話番号,理学療法士としての経験年数,希望コース(3ヶ月または6ヶ月)

 

 この他に,自己推薦文を添えるとポイントが高いなんて話しもある.

 

送付先      

PNF Curriculums Coordinator

Kaiser Foundation Rehabilitation Center

975 Sereno Drive, 3rd floor

Vallejo,California 94589

USA

 

 ここでちょっといじわるを.

 

 今あげた項目を英語でどうやって書いていいか判らない,Air Mailの出し方が判らないetc.書き方は本屋にいけば本が売っている.単語が判らないなら辞書がある.切手がいくらかは郵便局で聞く.

 

 何故,教えてくれないか?

 

 ここに記入例をあげるのは簡単.でも本当にKaiserに行きたい,そこでPNFを学びたいと思うなら最初の一歩から自分で頑張って頂きたい.その努力なくして,申し込みの書類(健康診断書から,残高証明書,理学療法士免許の英訳版etc)は絶対に完成しないからである.

 

 もっと細かく知りたい?コース期間中の住宅は?その家賃は?物価は?治安は?自分の英語力を試す良い機会.自己アピールのチャンス.頑張ってみよう!!

 

 最後になるが,今や世界中が憧れているコース,その人気コースに入るために誰もが眠れぬ夜を過ごし,書類と格闘し,英語力不足に涙する.また,コースに入ってからも自分の気持ちが伝わらない歯がゆさ,文化の違いからくるすれ違い,なれないベットでの腰痛.多くの犠牲がある.しかし,そのコースに行った者だけが味わえる充実感,Californiaの太陽の下で呑むビールの美味さがある.そして,なによりもPNFの奥深さに感動する.そして,帰国し,臨床に戻った自分に感動する.感動したいなら今すぐ行動を起こそう!!